やっぱり、母の胃ガンの手術前に「セカンドオピニオン 」をやるべきでした。
悔しいけど、あの母の主治医が言ったとおりです。
ちゃんと、手術前に「セカンドオピニオン 」を探してさえいたら、こんなことにはならなかったんです。きっとすべての流れがちがってたいたことでしょう。
それに、私自身は(母のガン告知 の)2ヶ月前に「セカンドオピニオン 」を見つけていたんです。
2ヶ月前、私は検査で「悪いもの(ガン )でしょうね」と言われて、「乳ガン」の手術を勧められていました。
あの頃、私は必死で「セカンドオピニオン 」を探していました。
その年の5月、市の「乳ガン 検診」がありました。市の施設の広い部屋のコーナーに簡単カーテンのついたてで仕切られた場所でありました。
順番を待つ人のための椅子と、ついたてのカーテンの中にベッドがふたつ。検診医はひとりで、検診は簡単な触診だけでした。
検診医:「あれっ」
わたし;「えっ? 」
検診医;「うぅーん、あるね」
わたし;「・・・・」
検診医;「自分でもわかる? 自分でも(しこりのチェック )してる? 」
わたし;「いえ、あまりしたことないんです」
検診医;「すぐに行った方が良いよ、今、紹介状書くから待ってて」
わたし;「えっ、今すぐに、ですか? 」
検診医;「うん、早いほうがいいよ。今日、これからすぐに行って」
わたし;「はい」・・というのがやっとでした。全身が凍り付いていました。
悪い夢を見てるんだと思いました。
着替えてカーテンから出ると、いっせいに(椅子に腰掛けて順番を待っている人たちからの)視線を感じました。
明らかな哀れみ・同情のまなざし・・・。それが痛いほどビンビンと伝わってきました。
「乳ガン 」なんだ・・・・・・。 わたし、乳ガン になっちゃったんだ。なんで?こんなにはやく・・・。
医師は再度わたしを呼んで、紹介状を渡してくれました。
「必ず、これを持って今日すぐに行ってね。よく診てくれるから。早ければ、大丈夫だから」
その、言葉・・・もう・・・ほとんど「ガン告知 」だった。穏やかな、誠実そうな医師でした。
「先生は、診察はなさらないんですか? 先生のところではだめですか? 」
「僕は今、ずっと検診車に乗ってるんですね。だけど、僕じゃなくても、だいじょうぶだよ。良い先生はいっぱいいるから、とにかく今これから行ってね」
あたまに、子どもの顔が浮かんだ。 今、5才。
私は6才のあの子を見ることができるのだろうか?
家に戻ると、急いで電話帳のページをめくりました。
「乳ガン 」って、「何科 」なんだろう?


