ストレス で眠れないからと、睡眠薬代わりにお酒を飲むひとがいます。
「睡眠薬 」よりましだと言うけれど、「習慣性」の点では、どちらも同じです。
不眠症 になると、医師はたいてい睡眠薬 や精神安定剤 を処方します。
効き目があって、簡単に利用できますが、当然副作用があります。
どうしても耐えられないという方は、医師の処方があるときに限って「期間限定」で服用する以外は、やめておいた方がいいと思います。
たとえあなたが今、ガン でもです。
長く続けていると、タバコや、麻薬と同じように依存してしまうからです。
私はそういう人を何人も知っています。
そして、あなたが睡眠薬を飲むことで、あなたの身にこんなことが起こるかもしれません。
1956年に、睡眠薬の画期的なクスリが登場しました。
あの有名な、サリドマイドです。
この新しい睡眠薬は、バルビツール剤のような問題がなく、大量に摂取しても中毒を起さないというふれこみだったそうで、医師はこぞって処方したのだそうです。
多くの医師や不眠症患者が、サリドマイドに走りました。
しかし、5年後に悲劇は起こりました。
この奇跡のクスリ、サリドマイドを処方された1万人の女性から、腕や足のない子どもたちが生まれてきたのです。
この事件を、極端な例だ、と捉える方もいるかもしれません。
そんなこと言ったら、何も薬は飲めないじゃないかと、不満に思う方もいるでしょう。
あなたが、飲みたいと思うなら、あなたの責任でいくらでも薬をお飲みください。
多くの方は、サリドマイドの事件が自分の身近に起きていなければ、まさに人事(ひとごと)としか感じないのです。
しかし、現実にありえないことが起こり、あってはならない悲劇が起きたのです。
障害が起きる可能性は、たとえ数字的には1%の確率であっても、起こった本人にとっては、そんな数字は何の意味もなく、彼らにとっては100%になってしまうからです。
1956年の5年後ですから、1961年ぐらいに生まれたお子さんたちは、今、45歳くらいでしょうか。
彼女たちにサリドマイドを処方した医師や、製薬会社や、国にだけ責任があるように感じますが、この場合、私はそれだけが原因ではないと思います。
患者は医師を信頼して薬を飲みますが、(結果としてサリドマイドになった彼らの)お母さんたちが、「眠れないから」とサリドマイドを飲まなければ、この悲劇は起きなかったとも言えます。
現に、つらい不眠症でも画期的クスリである睡眠薬(サリドマイド)は飲まない、と選択した患者さんもいたからです。
「私は不眠症でも睡眠薬には頼らない」という道を選んだ人は、この難を逃れたのです。
医師は、「眠れないから睡眠薬を出してください」という「不眠症の人たち」の要求に、応えているに過ぎなかったとも言えるからです。
すばやい治療を望んでいるのは、患者本人である場合が多いからです。
今飲んでいる薬が、あなたの体の中でどんな反応をしているのかは、結局のところ、薬を処方している医師にも、誰にも、正確にはわからないのです。
試験管や、ビーカーの中での反応や、動物実験や、何千人の治験のデーターはあっても、あなたの体とはちがうからです。
だから、くれぐれも、くすりは慎重に選んでください。
最初に自分ができる範囲のことをできるだけ試し、予防し、変えられるものは、変える努力をしてみることが何よりも必要だと思います。
前回紹介した短時間の昼寝をするということ。これは「ナルコレプシー」という病気の治療に使われていて、実際に効果を上げているそうです。
当然、副作用はありません。
また、ヨガの最後に行う、くつろぎのポーズというのは、不眠症によいポーズだと言われています。
くつろぎのポーズ5分で、1時間以上眠ったのと同じ効果・リラックスが得られるのです。
この最後のポーズの心地よさを感じるために、ヨガをやりたいという人もいるぐらいです。
しかし、このポーズだけではなく、ちゃんといろんなポーズを組み合わせた後にこそ、より生きてくるものです。
ご存知でしょうが、ヨガにも副作用はありません。
ちょっとみんなの手前がんばろうと無理して、筋肉痛になることぐらいです。
すばやい治療、効果の高い薬を望んでいるのは、あなたかもしれません。
強い薬は、体への影響も強いということをいつも忘れないでください。
きょうのひとこと
ある本によれば、1974年の段階で3000万人以上のアメリカ人が(程度の差はありますが)睡眠薬、特にバルビツール剤に依存するようになっていて、その状況は今も変わらないそうです。
あなたがガン なら、もう相当体にダメージがあります。これ以上睡眠薬で体を痛めないでください。
手っ取り早く、今日は昼寝を試してみてください。


